ダニエル書9 章15-19 節
わたしたちが正しいからではなく、あなたの深い憐れみのゆえに、伏して嘆願の祈りをささげます。(ダニエル9:18)
戦後、日本社会にあって「再出発」したキリスト教会の歩みにとって、いわゆる戦中派のクリスチャンを第一世代とするならば、それらの先達や宣教師たちからキリスト教を学んだの第二世代が現在80 歳代~ 90 歳代の人々です。戦争の価値観に失望し、新しい人生像をキリスト教に求めて燃えた世代と言えます。それらの層の人々が牧師や教会の役員となり、その頃青年であった65 歳~ 80 歳くらいの人々が第三世代。伝道と教会形成に熱く燃える先輩たちに憧れ傾倒していった、いわゆる団塊の世代前後の人々です。
そして第二世代の子どもたちの時代の層が50 歳~ 65 歳ぐらい。親たちや第三世代の先輩たちの猛烈な「教会人」スタイルをどうにも「継承」し得ず、教会生活に葛藤を抱えて育った第四世代です。自分たちより上の世代が、常に「教会の成長」「教勢の拡大」を志向するのに着いていけない感情を抱えていたように思います。
第五世代は30 代後半~ 50 歳くらいまでの、いわゆるバブル崩壊や就職氷河期時代に遭遇した層です。第三世代の子どもたちで、高度経済成長や教会成長の時代を生きた親たちに対し、日本社会の減退と教会の「教勢」の停滞の中を生きてきました。ゴスペルソングやプレイズソングなどで何とか「クリスチャン性」を確認していた側面もあります。つづく第六世代は、第四世代の人々の子どもたちの層で25 歳から30 代中盤くらいまででしょうか。熱くなれないながらも教会に残ったり繋がったりした第四世代の人々の子どもたちの世代で、どちらかというと落ち着いた感覚でキリスト教や教会に繋がっていると思います。そして、いま教会は、この第六世代の人々の子どもたち(第七~第八世代)を幼少科や少年少女科に迎える時代を生きています。
「一にも二にも伝道」という熱烈な教会人を生きた第一世代~第三世代の人々と、第四世代からその子どもたちの世代に亘る人々との間に、わりとはっきりした「断層」があります。それは日本のキリスト教が、伝道一辺倒で生きることができた時代から、社会性や隣人性の大切さに気づかされ、教会の存在意味をより多角的・多面的に見ていくものさしを獲得していったこととも関係しています。更に、今もなお、時代と共に社会が獲得した新たな視点や問題提起なども教会には注ぎ込まれていますから、教会は今も「変遷ing」中です。教会が、国籍や性の違いと共に、「世代の個性」「世代のカラフルさ」を楽しく織りなすことができたら、どんなに素敵な世界になることでしょうか。【吉髙叶】