コリントの信徒への手紙二5 章16 節-21 節
神は、キリストを通してわたしたちをご自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。(二コリント5:18)
日本キリスト教協議会(NCC)は、日本のプロテスタント7 教派と約30 のキリスト教系の諸団体によって結成されているエキュメニカル(キリスト教一致・協働)運動体です。世界各国のNCC とも繋がって世界的なネットワーク(WCC)を築いています。
日本キリスト教協議会の第42 回総会期(2024 ~ 2026 年度)のテーマは「キリストよ、あなたの和解のいのちに、わたしたちをあずからせてください」。本日は、その「活動方針」の冒頭部分だけですが、抜粋して下記に掲載させていただきます。
1.はじめに
イエス・キリストのいのちは「和解」そのものであった。福音は、このイエス・キリストの言葉と業に拠っている。そして宣教は、この和解の福音の広がり・深まりに出会い、世界の、社会、社会、人間の分断や断絶の随所にあって、すでに働かれている神の業に参与することである。伝道もまた、このイエス・キリストの言葉と業とを聴き取り、告げ知らせ、そして共に歩むことである。エキュメニカル運動は、わたしたちキリスト者がそれぞれの背景となる場から呼び集められ、その特性や賜物の違いを活かし、協力してイエス・キリストの和解の務めに与ろうとする運動である。
こんにち人類は、この被造世界との和解を厳粛かつ緊急に求められている。地球環境の破壊と汚染は、驚くべき規模での気候変動をもたらし、世界各地で大災害が起きている。それは生態系にも著しい打撃と変質をもたらし、年に何万種類もの種が絶滅し、また未知のウイルスの出現やパンデミックを引き起こしている。民族・国家の違いにかかわらず、人類は全世界的な協力をもって速やかに生き方を転換させ、被造世界の修復のために行動することを「人類的な要求」として突きつけられている。「核兵器の再使用」が現実化されかねない生命世界の破局を目の前にしてもなお、世界各地で戦争・紛争は続いている。
大河はもとをたどれば一筋の小川や湧き出る沢を源としている。したがって、わたしたちに求められている「和解」とは、気候的危機という地球規模の課題にかかわるものであると同時に、一つひとつの「対立と分断の現場」、一人ひとりが解き放たれなければならない「抑圧と差別の事実」にかかわるものである。わたしたちはそのいずれにも、真剣かつ丁寧に向き合っていかなければならない。
(全文は、NCCのホームページNCC第42回総会期活動方針最終案 (ncc-j.org)をご覧ください)
吉高叶