2025年8月10日平和祈念礼拝「つながりの傘・希望の傘」

ヨハネ福音書14 章27 節

わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるようにあたえるのではない。(ヨハネ14:27)

 

2021 年2 月1 日。選挙で選ばれたアウン・サン・スーチーさん率いる国民民主連盟が政権をスタートさせるはずだった日の朝、ミャンマーは国軍のクーデターによって一瞬にして暗黒に突き落とされていきました。私たち有志は、直ちにオンラインで集まり情報共有と祈りの会を始めました。毎週金曜日の夜に「ミャンマーを覚える祈り会」を続けました。さらに半年後の8 月1 日に、祈りとともに具体的な「支援(つながり)」を始めるために「アトゥトゥミャンマー支援会」を発足しました。日本からミャンマー本国に、そしてミャンマー各地の困窮する人々に確実に支援を届けていくルートを見いだし、現在に至るまで毎月50 万円を超える支援(繋がり)を続けてきています。また、支援が新たな繋がりを呼び、国境線を越えて隣国タイの町に逃げ、そこでコミュニティを形成しているミャンマーの人々との出会いに導かれました。メーソットというその町で、自主的に子どもたちの学習支援を続けている「ヘヴンズゲートスクール」の活動に出会い、そこに生きる子どもたちのランチを継続的に提供することにしたのです。
雨期の強烈なスコールや長雨に悩まされているメーソットの人々のリクエストに応え、アトゥトゥ支援会は、日本から折りたたみ傘を届ける「雨イジンググレイスプロジェクト」を計画し、教会の仲間たちに折りたたみ傘の提供を呼びかけました。あっという間に450 本を越える傘が集まり、8 月3 日に、5 名のメンバーが5 つの大きなトランクに詰められるだけ詰めて、現地に届けに行きました。子どもたち一人ひとりに折りたたみ傘を手渡し、開いた傘といっしょにみんなで撮った集合写真が届きました。
傘の下に入るのでなく、そう「核の傘」や「抑止力の傘」の下に入って安全を妄想するのではなく、小さな傘(祈りのしるし)を手渡し、傘(繋がりのしるし)を広げ、傘(希望のしるし)を手に掲げて、いっしょに未来のために祈り合いました。
ミャンマーで、ウクライナで、パレスチナで空爆が続きます。その先に訪れるものは核兵器による破局です。「核抑止力」「核の傘」、そのようなものが平和の役に立つなどという考えは幻想・虚構です。核戦争が現実となるかもしれない。吉髙叶

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