エズラ記6 章13-22 節
主がアッシリアの王の心を彼らに向け、イスラエルの神の神殿を再建する工事を支援させて、彼らに喜びを与えられたからである。(ｴｽﾞﾗ6:22)
エズラ記1 章～ 6 章の流れをざっと記します。神殿再建までの道のりを辿りましょう。
1 章 バビロン捕囚の憂き目にあっていたユダとベニヤミンの民に対し、新たな支配者であるペルシア王キュロスが「エルサレムに帰還して、神殿を建設してよい」という勅令を出します。バビロニア捕囚から60 年後、エレミヤの預言が実現しました。
2 章 帰還したのは民のうちの一部でしたが、それでも相当数の人々が帰還(出発)しました。その一族のリストが2 章全体に記録されています。
3 章 帰還した民は、一つになって「仮庵の祭り」を捧げます。エルサレム帰還最初の礼拝です。仮庵の祭りは、やがてバビロン捕囚からの解放を記念する祭りの意味を持つようになりました。またユダヤの新年になりました。続いて、神殿の基礎工事に取りかかります。神殿の基礎ができあがったとき、人々が感涙にむせぶ様子が描かれています。
4 章 基礎工事に続いて神殿建設が続くと思いきや、思わぬ妨害が入ります。カナンに定住してきたサマリヤ人たちが神殿工事の手伝いを申し出ますが、ユダの指導者はそれを断ってしまいます(理由はわかりません)。それを逆恨みしたサマリヤ人たちは、ペルシアのクセルクセス王に「神殿建設反対」の告訴状を出し、またアルタクセルクス王の時代にも「あれは反逆と悪意の都を建設しようとしています」と告げ口をします。アルタクセルクセス王は、それを真に受けて、工事中止の命令を出します。その結果、実に15年もの間、工事は中断してしまうのです。
5 章 その頃、エルサレムで人々を励ましていた預言者はハガイとゼカリヤです。人々はこの預言に励まされて、なんとか建設再開の気持ちを取り戻していきます。他方、ダレイオス王の時代に、地方の巡察官が「エルサレム神殿再建の命令は、キュロス大王の命令だったのではないか」との報告書を提出します。それを受けたダレイオス王はただちに書庫を調査し、その事実が明らかになります。
6 章 ダレイオス王は一転してエルサレム神殿建設の許可を出します。それだけでなく、「他国の人々はエルサレム神殿建設を邪魔してはならない」との勅令も発令します。このようにしてエルサレム神殿は、工事再開から数年後に完成します。B.C.515 年のことです。6 章後半には神殿完成を祝う人々の様子、その時の献げ物のリストが記されています。また、「過越の祭り」(悔い改めの礼拝)もあわせて捧げたことが記されています。【吉髙叶】