2022年8月14日平和祈念礼拝「平和のために働く人」

マタイによる福音書5 章1-12 節

平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。(マタ5:9)

【日本国憲法・前文】日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。

日頃あまり読むことの無い「憲法前文」を読み返すと、その理念が「専制政府」によってもたらされた戦争を反省するところから出発し、政治の権威も主権も国民にあることを明確にしています。また平和を念願し、平和を維持し、そのために努力することが国民の務めであること、世界の人々もそう願っていることを信じ共に国際社会で働いていきたいと言っています。誰もが専制と隷従に苦しめられたり、圧迫と偏狭につぶされてはならず、恐怖と欠乏から免れていくべきで、このために人間には平和的に生きる権利(平和的生存権)が与えられているというのです。と同時に、自分のことだけ、自国のことだけを考えるのでは無く、世界の人々と心を合わせて歩んで行こうと言うのです。
改めて読んでみると、実に良い憲法だと思います。イエスの語られた「平和を実現する人々」が、具体的世界・社会を生きる際に、抱くにふさわしい理念だと感じます。【吉髙叶】

関連記事

PAGE TOP